ぱてんとさいと

特許審査ハイウェイ

アメリカの多くのLaw Firmと同様に、私の勤務先でも定期的にAttorney Meetingというランチョンミーティングが開催され、最近の判例や事務所の運営等についてディスカッションが行われています。
今週のトピックは「特許審査ハイウェイ」でした。


日本からアメリカへの特許審査ハイウェイを利用すれば、日本で特許されたクレームがそのままアメリカで特許されるわけですが、個人的には、この制度を利用するメリットはあまり大きくないのでは、と思っています。
一般的にアメリカの方がより広いクレームを権利化しやすいので、日本で特許されたクレームよりも広いクレームを特許化できる可能性が高いですし、日本出願のク
レームと同一となるように補正することによりprosecution
estoppelが生じる可能性もあります。また、「アメリカ出願のクレーム=日本出願のクレーム」という前提によって、アメリカ出願のクレーム解釈において日本出願の明細書の記載が不利な方向に作用することがあるかもしれません。それに、追加料金も必要ですし・・・

あるアトーニーは「逆にアメリカで特許化したいクレームを先に作って、それを日本出願のクレームにすればよいのでは」と言っていましたが、それがそのまま日本で特許されるとは限りませんし、アメリカの代理人のコストを考えれば現実的ではないですね。

と考えると、すでに訴訟が起きている、あるいはpossible infringerがいるような場合にこの制度のメリットがあるんでしょうね。

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